グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン

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代表理事メッセージ

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皆様、寒中のお見舞いを申し上げます。旧年中は様々なご支援を賜り、誠にありがとうございました。本年も引き続きご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願い致します。 今年の新年は、大地震と大津波、そして飛行機の重大事故など悲惨なニュースで明け暮れてしまいました。辰年は大きな変化が起こる年と言われますが、お亡くなりになった方々のご冥福と被害に遭われた皆様の1日も早いご回復、そしてこれからの一年が、良い変化の年になることを願います。

この休日、私は東洋思想家田口佳史氏の著作を読んで「自他非分離」という言葉に出会い、考えました。「自他非分離」ではなく、「自他分離」すると、他者は自己と分離された存在と認識されるので「自己中心」になり「私利私欲」に走る。トランプ前大統領の「ミー・ファースト」、「アメリカ・ファースト」のようなことになる。田口氏は、「新しい資本主義」は、このような資本主義の根底にある矛盾を解決しなければならない、と主張します。

私はこれを、企業における「収益一本槍の経営」と「ステークホルダー(SH)尊重の経営」に当てはめて考えて見ました。「ミーファースト」の経営は、「自分だけ儲かれば良い」と考える。その結果、人権侵害や地球温暖化など、深刻な「地球と社会の問題」を引き起こしてしまいました。しかし、「自他非分離」で「SH」を捉えれば、「SH」と自社は一体化され、「自社」と「SH」は、一緒に価値を創出する「共創者」の立場に立てる。一般的には「SH」は「利害関係者」と位置付けられ、企業は、「SH」の要求に対して受身的に対処する傾向があると思いますが「SH」を、一緒に価値を創出する「共創者」の立場に高めてゆければ「自他分離の収益一本槍」の経営で得られる収益よりもさらに豊かで高い価値を創出できるのではないか、「新しい資本主義」としての「SH資本主義」の真の価値はそこにあるのではないか、と考えるに至りました。

SDGsの前半戦は甚だ苦戦中ですが、是非「SH」と共創して頂き、2024年を貴社にとって、SDGsを更に大きく前進させる、良い一年とされることを願うとともに、皆様の益々のご健勝とご活躍を祈念致します。

2024年1月
グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン
代表理事 有馬利男