グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン

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サーキュラーエコノミーへの取り組み

気候変動および生物多様性の損失、さらには世界的な人口増加に伴う資源・エネルギー・食料需要増大の解決策として、重要視されているのが、サーキュラーエコノミーへの取り組みです。地球の限界点(プラネタリーバウンダリー)を超える人間・経済活動は、不可逆的で壊滅的な変化を起こします。一方で、限界を超えない範囲での活動を目指すあまり、エネルギーや水など、人間が生活する上で必須のものが欠乏する状況になることは、SDGs達成と逆行する動きです。従来の大量生産・大量消費・大量廃棄という経済から、地球資源が有限であるという前提に立ち、地球の限界点を超えない範囲でSDGs達成に向けて全体最適を行う手法が、サーキュラーエコノミーです。グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンでも、サーキュラー型へのビジネスモデルの転換を促進するため会員企業・団体が共に学び・つながる場として、サーキュラーエコノミー分科会が活動しています。

サーキュラーエコノミーとは

(出典)
オランダ政府From a linear to a circular economy

サーキュラー・エコノミーは、従来の3R(リデュース、リユース、リサイクル)の取組に加え、資源投入量・消費量を抑えつつ、ストックを有効活用しながら、サービス化等を通じて付加価値を生み出す経済活動です。サーキュラーエコノミーへの転換は、まさにビジネスモデルの変革を後押しするものであり、事業活動の持続可能性を高めるだけでなく、企業の競争力にもつながると期待されます。

2015年に公表された「Waste to Wealth(無駄を富に変える)」の中で、サーキュラーエコノミー型のビジネスとして、次の5つの分類が掲げられました。

1. 資源の「無駄」をなくす:再生型サプライ(再生可能な原材料、再生エネルギーなど)
2. 潜在価値の「無駄」をなくす:回収とリサイクル(廃棄予定の設備や製品の再利用、エネルギー回収)
3. 製品サイクルの「無駄」をなくす:製品の長寿命化
4. キャパシティの「無駄」をなくす:シェアリング・プラットフォーム
5. サービスとしての製品:製品を保有せず利用に応じて費用を払う

サーキュラーエコノミーは個社だけでは対応できず、個別企業や業界を超えたビジネスパートナーシップが重要になります。企業・団体が手を携え社会全体で廃棄ゼロを目指す必要があります。

サーキュラーエコノミーをめぐる国際動向

サーキュラーエコノミーのロゴ画像

欧州は2050年ネットゼロ社会の実現に向けた「欧州グリーンディール政策」において、サーキュラーエコノミーを優先政策の一つに置いています。金融業界も、サーキュラーエココノミーへの移行を加速させています。例えば、環境的にサステナブルな金融政策であるEUタクソノミーでは、その目的の一つにサーキュラーエコノミーへの移行が明記されています。また、世界最大の資産運用会社である米国のBlackRockも、サーキュラーエコノミーを推進する組織として有名なエレン・マッカーサー財団とパートナーシップを結び、サーキュラー・エコノミー・ファンドを立ち上げました。サーキュラーエコノミーに関する金融商品や民間投資の動きは、既に始まっています。