グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン

会員数:企業・団体 会員ログイン

ニュース 2023年

GCNJ会員企業5社、NYの国連本部でジェンダー平等円卓会議に参加

更新日:

国連グローバル・コンパクトがNYの国連本部でジェンダー平等円卓会議を開催 ~グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)会員企業5社が参加

日本からの4名を含む、ジェンダー平等実務家円卓会議の参加者たち。©UN Global Compact

ニューヨークで第67回 国連女性の地位委員会(CSW67)が開催されるのに合わせ、サイド・イベントとして、国連グローバル・コンパクトでは2023年3月15日、ジェンダー平等をテーマに二つの円卓会議を実施しました。

午前には、「女性のエンパワーメント原則(WEPs)浸透に果たす男性アライの役割に関する実務家円卓会議」と題し、主にサステナビリティやダイバーシティ担当の上級管理職が、世界各国から53名集まりました。グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)会員企業からは、井原徹氏(日産自動車株式会社 専務執行役員 グローバル人事・ダイバーシティ&インクルージョン)、小齊平康子氏(参加当時:ソフトバンク株式会社 グローバル事業本部 法人事業統括 JV推進室 担当部長、4月より合弁会社Findability Sciences株式会社 代表取締役社長 CEO)、根村絵美子氏(セイコーエプソン株式会社 DE&I戦略推進部 部長)、村上明子氏(損害保険ジャパン株式会社 執行役員CDO DX推進部長)の4名が参加。国連グローバル・コンパクトから提示された事前学習を行った上で、ニューヨークの国連本部ビルで会議に臨みました。

「あるべき男性像」からの解放が、社会に利益をもたらす

実務家円卓会議でのグループ・ディスカッション。©UN Global Compact

当日は、国連グローバル・コンパクトのジェンダー平等・人権プログラム責任者を務めるシンシア・ムファ氏と、ジェンダー平等への男性の参画を推進する団体「エクイムンド」のシニア・フェローであり作家でもあるマイケル・カウフマン氏が、参加者の議論をリードしました。職場の内外で、民間セクターがジェンダー平等を推進し、その過程で男性を効果的に巻き込む方法について、率直なディスカッションが行われました。出席した井原氏は、こう振り返ります。「ジェンダー平等推進のためには、男性のマインドセットだけでなく行動の変容が最も重要であるというのが印象に残りました。M・カウフマン氏の具体的な経験に基づくお話や、他国からの参加者との意見交換を通じ、新たな視点を得ることができました。自社に持ち帰って共有し、活動を推進していきたいと思います。」

ジェンダー平等への男性の参画推進の第一人者、マイケル・カウフマン氏。©UN Global Compact

伝統的で固定化された男性像に囚われている状態から男性が解放されることで、社会全体にメリットが生まれると訴えるカウフマン氏からは、日本の私たちに向けて、以下のメッセージが届いています。「先日の円卓会議は、素晴らしいイベントとなりました。そして、4名の方が日本から参加して下さったことを、とても嬉しく思います。日本でも、ジェンダー平等の為のアライとして男性たちを巻き込む為に、非常に重要な取り組みを行える余地があると強く感じています。例えば、人口減少の危機の深刻化が盛んに議論されていますが、これを家父長制的思考で解決しようとすると、産めよ増やせよと女性たちに指図することになります。一方、ジェンダー平等に基づき取り組むのであれば、働く親をきちんとサポートし、育児や家事も平等に分担し、女性が(ひいては男性も)もっと子どもが欲しいと思える状況を作ることです。日本の同僚たちによると、これには様々な障壁があるそうですが、かつては同じような課題を抱えていた世界の他の地域でも、変化は着実に起きています。今後も、日本の皆様と共に取り組めることを願っています。」

CEOはビジネスを通じたSTEM分野のジェンダー平等推進を議論

そして、今年のCSWの主たるテーマ「ジェンダー平等の達成、全ての女性・女児のエンパワーメントの為の、デジタル時代のイノベーション、技術革新、教育」を踏まえ、午後には「デジタル時代の職業におけるジェンダー平等」をテーマにCEO円卓会議が開催され、42名が参加。日本からは呉 文 繡氏(国際航業株式会社 代表取締役会長、国連グローバル・コンパクト ボード・メンバー)が出席し、特にSTEM分野でのジェンダー平等について議論が行われました。

サンダ・オジャンボ国連事務次長補、国連グローバル・コンパクト事務局長 兼 CEO(写真中央)を囲んで。左から、呉 文 繡氏、井原徹氏、根村絵美子氏、小齊平康子氏。©Global Compact Network Japan

グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンの取り組み

GCNJでは、ジェンダー平等を重要課題の一つとして位置付け、さまざまな形で取り組んでいます。直近では、会員企業・団体を対象とした実態調査の結果に基づく「SDGs進捗レポート2023」を3月6日に発行。昨年に引き続き、ジェンダー平等を含むゴールに関し会員企業の進捗測定を行うことで、さらなる活動推進に向けた支援を行っています。また、3月8日の国際女性デーには、先進企業の取り組みを紹介するセミナー「HAPPY WOMAN FESTA 2023」を後援し、参画しました。通年では、「WEPs分科会」を通じて、会員同士の自発的な学びの場を提供。2022年度は、同分科会の共同幹事を、株式会社INPEX、株式会社荏原製作所、ジャパン・リニューアブル・エナジー株式会社、セイコーエプソン株式会社、ナブテスコ株式会社の5社が務めました。加えて、GCNJでは過去に、「WEPsハンドブック」、「WEPsジェンダーギャップ分析ツール」(日本語版)や、会員企業24社の取り組みをまとめた実践的ガイド「ジェンダー平等事例集」も公開しています。

さらに、国連グローバル・コンパクトでは、会員企業の全従業員がアクセスできるオンライン学習プラットフォーム「国連グローバル・コンパクト・アカデミー」で、カウフマン氏の講話をはじめ、ジェンダー平等に関するeラーニングの一部コンテンツを日本語でも試行的に提供。また、現状、日本語版は無いものの、最新のコース「ジェンダー平等の男性アライになるには」のプロモーション動画には、会員企業から出向中のGCNJ事務局員2名もカウフマン氏と共に出演し、世界の企業に履修を呼びかけています。

SDGs進捗レポート2023

HAPPY WOMAN FESTA 2023

WEPs ハンドブック(PDF:2.6MB)

WEPs ジェンダーギャップ分析ツール

ジェンダー平等事例集

eラーニング「ジェンダー平等の男性アライになるには」

「ジェンダー平等の男性アライになるには」プロモーション動画