グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン

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ニュース 2020年

★ニューズレター2020年1月号★

更新日:

★GCNJからのお知らせ★

○【ご挨拶】有馬代表理事より年始のご挨拶

「令和」の時代の初めての新年、そして新しいディケード2020年を迎えましたが皆様は良いお正月を迎えられたことと思います。私は、例年のように、サッカーの天皇杯を国立競技場に観にゆきます。今年は、新しい競技場なのでとても楽しみです。そして今年は2000年のUNGC発足から20年目です。2018年に導入した新しい会員制度も軌道に乗り、世界の会員数は14000を超え、財政面を含め、安定的な運営のもと、SDGsへの取り組みも活発に展開されています。今年6月には”20th Anniversary Leaders‘ Summit”が開催され、世界の1500名超が国連本部に結集し、日本からも多くの参加者が期待されています。GCNJの会員の増加は継続しており、分科会、AKKの活動も益々盛んです。外部の企業や大学・団体からのGCNJとのイベント共催の申し込みや、講演依頼なども増えています。事務局、そして分科会幹事、委員会の皆様のご苦労とご協力に心より感謝申し上げます。
しかし、このような順風の時こそ課題を見つめ直さなければなりません。私には、二つの大きな課題が見えています。一つは、日本としてのSDGsに関する現状やギャップ認識も、ロードマップも明確なものがないと言う問題です。そのような状態で、省庁や地域、そして企業などのSDGsが活発に展開されています。しかし、COP25で日本は世界の非難を浴びてしまったように、今のままでは世界の課題認識とずれてしまい、国レベルのPDCAもうまく回らない、実にもったいない状況です。GCNJがアドボカシーとして、ステークホルダーで連携しながらもっとやるべきことがありそうです。もう一つの課題は、GCNJと世界のグローバル・コンパクトの活動とのギャップです。確かに分科会やAKKは優れた活動と評価されていますが、世界ではGlobal Impact Initiatives として、SDGsの主流化、ジェンダー、クライメート1.5°の三本柱で、ローカルネットワークを連携させた活動が進み始めています。我々はこのような世界の動きにも参画してゆかなければなりません。両方の課題ともに、我々の意識と活動をもっとグローバル化するようにと告げています。
新しい年、GCNJは従来の活動をさらに強化しながら、グローバルな視点で新しい課題に取り組んで参ります。会員の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げますとともに、2020年が皆様にとって良い年となりますよう祈念致します。

○【2020年はどんな年?】後藤理事、野村理事より

【GCNJ理事 後藤 敏彦】
あけましておめでとうございます。
気候変動(Climate Change)ならぬ気候危機(Climate Crisis)と言われるようにいよいよ牙をむきました。世界がexponentialに動いているにも拘わらず日本は一握りの先進的企業を別として殆ど動きがなく、政府は依然として石炭火力の推進も進めている有様です。
2019年9月23日の国連気候行動サミットで65ケ国が2050年排出ゼロ宣言しました。
2019年12月14日の日経は、EUが「50年に実質ゼロ」を合意したことと、早ければ2021年にも国境炭素税の導入も報じています。
これはCO2ゼロで製品を作らないと買ってもらえないか、競争力を失うことを意味しています。ゼロ宣言65カ国が追随するであろうことも必至です。このニュースを聞いて緊急会議を開かれた企業はあるのでしょうか。
3.11後、再生可能エネルギー(RE)は急速に増加しましたが、ここにきて大きく減速しかかっています。電力系統につなげられないことが最大の要因ととらえていますが、さしたる送配電網の増強策も聞こえてきません。先行きREの取り合いも予想されますが絶対量が少ないだけに調達不可能と言うことも予想できそうです。
少なくも大企業は自家消費用に自前の洋上風力発電や太陽光発電を早急に検討し設備投資に踏み切る必要があるのではないでしょうか。ペイするかの問題ではなく、事業継続のためです。減価償却が終わればメンテナンス・コスト以外は費用ゼロですから長期的にはペイするものと推察します。
世界がexponential に動いているのは産業革命以前(1850~1900年の平均値と聞いている)から既に1.1℃以上も上昇し、早ければ2030年にも1.5℃上昇の可能性がIPCCの1.5℃特別報告書で示されたからと推察しています。様々な事象(沿岸洪水、河川氾濫など)が危険域に突入したことも示されています。
日本の工場や倉庫の多くは沿岸埋立工業地帯に所在しています。2018年に関西空港が水没しましたが、同様なことが各地で頻繁に起きることも予想されます。温暖化は起きてしまったので「適応」策を必死に練り実行することが喫緊の課題と言えます。
2020年は緩和(Mitigation)と適応(Adaptation)の両輪をフルに働かせ、リスクマネジメントと新しいビジネス機会につなげる元年すべき年であると考えます。

【GCNJ理事・野村彰男】
みなさま良い新年をお迎えになられたでしょうか。今夏は東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。このところ激増している観光客だけでなく、各国の選手団や応援団が大挙して来日し、日本の社会や文化に接し、お年寄りから子供まで日本人の生活ぶりにも触れる機会になります。そんな彼らに日本はどういう国として映るのでしょうか。
暮れにスペインで開かれたCOP25で、日本は石炭火力発電など化石燃料からの脱却方針を鮮明にしない姿勢を揶揄され、不名誉な「化石賞」のレッテルを貼られました。小泉進次郎環境相も政府を代表して演説しましたが、政府方針に縛られてCO2削減に向けた道筋を示せず、記者会見も不評でした。各国はパリ協定に基づいて2020年に当面の温室効果ガス削減目標を出すことになっていますが、日本政府は、現在と同じ「2030年度に13年度比マイナス26%」のまま据え置く方針だと伝えられ、批判もやむを得ません。
スウェーデンの16歳の少女グレタ・トゥンベリさんの厳しい発言を待つまでもなく、グテーレス国連事務総長は、世界中ですさまじい災害を引き起こしている気候変動を「気候危機」と言い換えて、いまの世界の最大課題としている中で、あまりにも世界の潮流から外れた姿勢です。それが「気候危機」問題を通して世界に映る日本の姿なのです。
同じころ、キッコーマンの茂木友三郎名誉会長ら財界人と学界で作る「日本アカデメイア」が年末に都内で開いたシンポジウムでフランスの経済学者ジャック・アタリ氏が、「今の日本で一番気になることは何か」というフロアからの質問に「女性」と即答しました。この日、登壇したすべてのスピーカーが全員男性だったことに「こんなことあり得ない」と憤慨しての発言です。
実際、安倍政権が喧伝する「女性が活躍する社会」といううたい文句にかかわらず、世界経済フォーラムの調査では、日本における「ジェンダーギャップ」は世界144カ国中114位、「女性が働きやすい国」ランキングでは調査対象の29カ国中28位、「管理職比率」も7%でワースト1位といった惨憺たる状況なのです。GCNJの会員企業が女性役員や管理職の登用に努めていても、世界に映る日本全体の姿はこれなのです。
GCNJは2003年の創設から17年、08年に企業主体の団体となって活動を強化してからも12年となり、会員数も順調に伸び、活動も充実してきました。ここから私たちに求められるのは、NJ会員がGCのグローバルな活動にもっと積極的に参加して日本の存在を示し、そこでとらえた世界の潮流を、広く日本の社会に伝える発信力、説得力を強めることだろうと思います。私たちの活動拠点を国連大学に移す今年を、皆さんと共にGCNJのさらなる飛躍の年にしたいと願っております。

○GCNJ会員数最新情報(2019年12月3日時点)

GCNJ会員数 343企業および団体

○【ご報告】第21回エコプロ2019「持続可能な社会の実現に向けて」へ出展 (2019年12月5-7日)

本イベントは、12月5日(木)から7日(土)の3日間、東京ビッグサイト(西1-4ホール)で、一社)産業環境管理協会、日本経済新聞社の主催で行われました。GCNJには、組織拡大委員会の皆様のご協力を得て、ブース展示・説明を行い、多くの来訪がありました。また、12月6日(金)には、特設ステージで「企業はSDGsをどう捉え、どう使いこなすのか?」をテーマとしたパネルディスカッションを行いました。GCNJ後藤理事、会員社(ファーストリテイリング様、花王様、ネスレ日本様、クレアン様)にご登壇をいただき、定数200席に対し、立ち見を含めて250名以上の方々が入場、参加され、多くの好評意見をいただきました。主催者発表では、エコプロ2019の3日間の開催を通じ、展示規模515社・団体、1,102小間、来場者数は147,653人(SDGs Week 3展合計155,818人)の盛況となりました。
次回は、2020年11月26日(木)-28日(土)東京ビッグサイト(西ホール)での開催となります。

○【予告】GCNJ年次シンポジウム開催(2020年3月5日)

■日時:2020年3月5日(木)13:00-16:00
■会場:有楽町朝日ホール
詳細は、1月初旬に発信いたします。

★国連GCの最近の動き★

○世界の会員数最新情報(2019年12月26日時点)

・Business sector 10,519
・Non-Business sector 3,408

◇事務局長 大場より年始のご挨拶◇

新春のお慶びを申し上げます。2020年は、UNGC20周年、国連創立75周年、2030アジェンダ(SDGs)に向け10年を残し、東京オリンピック・パラリンピック開催も加わった「特別な1年」となります。GCNJは、約350の企業・団体会員を数える組織となった今日、「世界における日本の役割」を真摯に考え、その実践をリードすべく、一層、諸活動を、特に国際的な活動を、先鋭化・加速して行く所存でおります。有馬代表理事のご挨拶にもありますように、GIIをはじめとした新しい取組に、会員の皆様と一体でチャレンジしてまいります。本年も宜しくお願い申し上げます。