ニュース 2017年
★ニューズレター2017年1月号★
更新日:★GCNJからのお知らせ★
【ご挨拶】有馬代表理事より年始のご挨拶
皆様明けましておめでとうございます。本年もグローバル・コンパクトの推進に努力して参りますので、引き続きご支援賜りますようお願い申し上げます。今年はとり年、干支では丁酉(ていゆう)と言われ、歴史を大きく変えることが起こる年と言われます。トランプ大統領の指先からは様々な不協和音が発せられますが、私が特に気になるのはパリ協定からの離脱や温暖化の否定。ホワイトハウスから気候変動のデータやCO2削減目標が消えてしまった、米国横断の石油パイプラインが復活した、などと聞こえてきます。気候変動だけは、今やらなければ取り返しがつかなくなるのに、です。トランプ氏が勝利したことは、アンチグローバリズムを支持する人が多いということ。しかし、それに対して米国企業365社が、「それでも我々はパリ協定を守る」と宣言したことは大いに心強い。丁酉の今年、UNGCのリードで「トランプカードのKingの顔をした冷たいドメスティック市場」ではなく、アナン氏が言った「人間の顔をしたグローバル市場」に世界が向う年となるよう、皆で力を合わせましょう。
【2017年はどんな年?】後藤理事、野村理事より
【GCNJ理事 後藤 敏彦】
あけましておめでとうございます
2016年は、英国のEU離脱・Brexit、トランプ現象など混迷を深めました。離脱派やMr.トランプが勝利したというものの実質は50対50であり、1980年頃からのネオリベラリズムとグローバリズムで見捨てられた人々の反乱であろう。また、トランプ大統領がどんな政策を打ち出してくるかは、矛盾した公約なので最後はどちらかを裏切ることになろうが誰にも読めない。はっきりしていることは、国内的には簡単に言い分が通るとは思えないので、対外的にはアメリカに都合のよいことを一方的にいってくるであろう。ドラえもんのジャイアンより始末が悪い。欧州も極右の台頭、中東の混乱等々、今年も不確実性はいや増すと考えられる。光は、パリ協定が採択からわずか11ケ月未満で発効したことである。短期必達目標の達成は必須であろうが、不確実性に振り回されず、脱炭素、持続可能な発展に向け中長期を見据えたイノベーション活動を着実に推進することが肝要と考える。
【GCNJ理事 野村 彰男】
2017年はドナルド・トランプ米大統領のツイッター政治が世界を騒がせ続ける波乱の幕開けとなりました。TPPからの離脱、パリ協定には後ろ向き、オバマケア廃止、環境保護の観点からオバマ前大統領が差し止めていた石油パイプラインの設置工事にはゴーサインと、「トランプのアメリカ」となったことを内外に示そうと躍起な様子です。
残念なのはトランプ大統領の記者会見やツイッター発信からは、ここまで米国が果たしてきた自由や民主主義の旗振りとしての役割や自覚、多国間の貿易協定などグローバル化とともに発展したさまざまな国際協調システムへの評価が全く見られないことです。1980年前後と90年前後の2度、私がワシントンで米政治を取材したときは、いずれも日米経済摩擦が燃え盛っていて、二国間の厳しい貿易交渉が展開されていました。「アメリカ製品を買え」「アメリカ人を雇用せよ」とうたい、「保護主義」と二国間取引(ディール)を前面に出すトランプ発言を聞いていると、歴史が30年か40年遡ってしまったような錯覚を覚えます。
そんなとき、ダボスの世界経済フォーラムでは、中国の習近平国家主席が「経済のグローバル化は必然」「保護主義反対」「貿易戦争反対」を唱え、中国は「人民の、人民による、人民のための」経済発展を目指していると演説しました。中国の政治経済の実態はともかく、トランプ大統領が歴史の流れに背を向けるのを見ながら、ちゃっかり世界の経済発展の旗振り役を演じて見せたわけで、米中首脳として出会うより先に、トランプ大統領は一本とられた感があります。これまで中国の人権状況を厳しく批判してきた米国が、大統領自ら「拷問」復活を支持する姿勢を示していては、中国批判の矛先も鈍りそうで気になります。
ただ、米国発のニュースは暗い話だけではありません。パリ協定離脱の構えを見せたトランプ政権に対して、何百もの企業がパリ合意実現に向けた努力は継続すると表明し、カリフォルニアなど10余の州が、連邦政府の政策にかかわらず州の温室効果ガス削減政策は続ける姿勢を示しました。SDGsが、国際機関や政府だけでなく企業やNGO,個人にいたるまで、多様なアクターが全員参加で課題解決に努力することを前提にしていることを考えると、大統領の一存だけで世の中をひっくり返せるものではないし、大統領の「暴走」を制止しようという議会や国民の理性もいずれ甦ることを期待し、少し冷静に「トランプのアメリカ」の行方を見定める方がよさそうです。
GCNJ会員数最新情報(2017年1月31日時点)
GCNJ会員数 239企業および団体(休会除く)
アソシエイト会員9企業
【参加受付中】ICA・UNDP・GCNJ・日経BP環境経営フォーラム共催セミナー開催(2月1日・2月6日)
SDGs達成に向けた国際的な官民パートナーシップの潮流や、SDGsをビジネスチャンスと捉える「SDGsビジネス」に係る国内外の動向をご紹介するセミナーを、下記の通り開催致します。また、「SDGsビジネス」に取り組む企業を支援するJICAの新たな制度のご紹介も予定しております。
■日時:東京開催:2017年2月1日(水)10:00-12:00(受付開始:9:30~)<定員150名程>
大阪開催:2017年2月6日(月)13:30-15:30(受付開始:13:00~)<定員90名程>
■共催:独立行政法人国際協力機構(JICA)、国連開発計画(UNDP)、日経BP環境経営フォーラム
イベント詳細・お申し込み先:こちらよりご確認をお願いいたします。
【参加受付中】ラーニングフォーラムin 関西 開催(2月10日)
大阪ガスさまの会場をお借りして、「第4回ラーニングフォーラム in 関西」を開催します。2006年に国連の主導で発足したESG投資(E-環境、S-社会、G-ガバナンスを考慮した投資)の世界的なプラットフォームであるPRI(責任投資原則)に、2015年9月、世界最大規模のアセットオーナーである年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が署名しました。今後、日本の運用機関にますます大きなインパクトを与えるであろうPRIについて、機関投資家として運用の実務に携わっておられる株式会社りそな銀行の松原氏をお招きし、「ESG投資について」と題してお話を伺います。また、昨年11月に実施された「ビジネスと人権フォーラム@ジュネーブ」の報告や、GCNJ分科会活動についての紹介も行います。皆様のCSR活動の一助として、是非ご参加下さい。
■日時:2017年2月10日(金) 15:00~18:00 (18:30~20:00懇親会)
■場所:大阪ガス御堂筋東ビル3階ホール(大阪市中央区道修町3丁目5-11大阪ガス御堂筋東ビル(略称 OMEビル))
■プログラム:
15:00~15:05 開会挨拶
15:05~15:55 講演「ESG投資について」 株式会社りそな銀行 松原氏
15:55~16:40 「ビジネスと人権フォーラム」参加報告 住友理工株式会社 鈴木氏
16:40~16:50 休憩
16:50~17:50 分科会活動報告 (サプライチェーン分科会、WEPs分科会、関西分科会)
17:50~18:00 閉会挨拶
(18:30~20:00 懇親会 ※希望者のみ)
【ご報告】2016年度GCNJシンポジウム開催(1月27日)
1月27日(金)に日経ホールを会場に500名近くの方にご参加いただき、「経営を変えるふたつのキーワード:SDGsとESG」と題し、日本経済研究センター、GCNJの共催シンポジウムを開催しました。冒頭の基調講演では、三菱ケミカルホールディングス 取締役会長 小林喜光氏に「地球と共存する経営」をテーマにKAITEKI経営や自社の取り組みについてお話いただきました。その後、後藤理事より企業にとってのSDGsの持つ意味についての解説とGCNJが会員向けに実施したSDGsについてのアンケート結果の紹介を行い、続くパネルディスカッションでは「SDGsとESGは、どう経営を変えるのか?~企業、NGO、投資家の視点から」と題し、同志社大学大学院教授の飯塚まり氏をモデレータに迎え、全日本空輸 取締役 専務執行役員の河本宏子氏、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン アドボカシーマネージャーの堀江由美子氏、ゴールドマン・サックス証券 副会長のキャシー松井氏にご登壇いただき、それぞれの立場からSDGs、ESGへの取り組みについてご発表いただき、情報開示やセクター間のパートナーシップの重要性について議論いただきました。今回のシンポジウムもサポートメンバーとしてGCNJメンバーから15名の方にご協力をいただきました。ご協力いただいた皆様、誠に有難うございました。
★国連GCの最近の動き★
世界の会員数最新情報(2016年12月31日時点)
・Business sector 9,269(新規126社)
・Non-Business sector 2,983(新規43団体)
著者:(社)グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン 事務局
編集:(社)グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン 事務局
【お問合せ先】
(社)グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン
TEL:03-5412-7235 FAX:03-5412-5931 Email:gcjnoffice@ungcjn.net
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