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持続可能な開発目標(SDGs)

人々の新たな挑戦と社会の更なる発展を支える企業~To Be a Good Company~

東京海上ホールディングス株式会社

東京海上ホールディングス株式会社

http://www.tokiomarinehd.com/

東京海上ホールディングス株式会社におけるCSR・SDGsの取組みを、同社の事業戦略部部長 長村政明様、CSR室 マネージャー鯉沼伸行様、嶋田浩生様並びにCSR室アシスタントマネージャー土方美希様に伺った。

―御社の事業並びにCSR・SDGsの取組みについてお聞かせ下さい。

弊社は1879年に創業し、翌年にはニューヨーク、ロンドン、パリで営業を開始しました。スタートが海上保険でしたので、当初から海外との関係が深いと言えます。本業の「保険」はリスクがあるものすべてが対象となるため、対象にならない事象・事項はありません。現在は、国内損害保険、国内生命保険、海外保険、金融・一般事業の4つを主要事業として推進しています。特に、海外保険事業ではコミュニケーションを密にして、現地のオペレーションとグループとしてのアイデンティティを保つことを重視しています。
中期経営計画「To Be a Good Company 2017」では、CSRの主要テーマとして「安心・安全を届ける」(主にゴール3、11と関連)、「地球を守る」(主にゴール13、14、15と関連)、「人を支える」(主にゴール3、4、10と関連)の3つを掲げています。今年のサステナビリティレポートではSDGsを包括的に捉え、それぞれのターゲットをマッピングしました。保険会社として「災害に負けない社会づくり」を社会に向けて発信していく責務がありますが、SDGsには社会の様々なステークホルダーがともに同じ方向に向かって社会づくりを進める力があると思っています。

中期経営計画抜粋

「地球を守る」ための象徴的な取組みとして、「Green Gift」というプロジェクトがありますが、これはお客様に「ご契約のしおり(約款)」等を紙の冊子ではなく、Web約款等をご選択いただいた場合に、紙資源の使用量削減額の一部を寄付し、国内外の環境保護活動に役立てるものです。その中に、地域に安全と豊かさをもたらすマングローブ植林事業「地球の未来にかける保険」があり、1999年から現在までに、インドネシア、タイ、フィリピン、ベトナム、ミャンマー、フィジー、バングラデシュ、インド、マレーシアの9カ国で展開してきました。また、2007年にはこの事業を100年続けることを宣言しています。

―マングローブの植林活動は、とても広範囲にかつ長期的に実施されてこられたのですね。

植林面積は2017年3月末には累計で1万ヘクタールを超えました。これは100メートル幅で、新幹線の東京駅から山口県の徳山駅まで届く距離になるんですよ。
マングローブ林は「生命のゆりかご」とも呼ばれています。その根系がつくり出す安全な空間では、マングローブの葉や実をエサとする魚、貝、カニ、エビ等が隠れ家として集まり、さらにそれらをエサとするカニクイサルや鳥等の生き物たちが集まってきて、豊かな生態系を育みます。マングローブ林の近くの海や川で獲れる魚介類は、村の人たちの食糧となり、仲買人に買い取ってもらうことで収入源となるため、地域の持続可能な発展に貢献しています。また、マングローブの種や実はスープやお菓子の材料、葉は家畜のエサ、幹や枝は家の柱や屋根を作る木材として利用されており、人々の生活を支えているのです。
こうしたことから、植林を実施している地域での東京海上の知名度は絶大です。地元の方々との交流も盛んですし、次世代を担う子どもへの教育機会も提供していることもあり、地元の皆さんにも私たちの活動の価値を十分に理解してもらっていますね。


―「地球を守る」御社の取組みが、まさに、水中にしっかりと根を張り、枝葉を広げる「マングローブ」そのもののようですね。

そうですね。この他にも、マングローブにはCO2の吸収・固定効果や津波や高潮の被害軽減効果もあります。東京海上グループは2013年度から4年連続でカーボン・ニュートラルを達成していますが、これもマングローブの効果なんです。津波被害の軽減効果については、測定も行っています。保険だけで災害のレジリエンスを高めることは難しいため、マングローブがもたらす減災効果を考えると、災害発生前から行っているこの活動は保険会社の本業に繋がっていると言えますね。また、世界に貢献したいという思いからUNEP FI(国連環境計画金融イニシアティブ)やUNISDR(国連国際防災戦略事務局)、国連グローバル・コンパクトなどが設立したCaring for Climateイニシアティブに参加し、マングローブの効果について知見を世界に発信・共有しています。
研究機関に委託して、1999年4月から2014年3月末までの期間にマングローブ林による生態系サービスがもたらした経済価値の試算も行いました。それによると、マングローブから魚介類や木材、伝統薬などの生産物を得られる効果として約87.1億円、マングローブの近海や沖合いの漁業生産高の向上にもたらした効果として約81.5億円、海岸線の安定化と侵食防止の効果として約73.5億円、極端な気象からの被害軽減効果として約57.7億円、水質汚染の防止効果として約47.1億円、温室効果ガスの吸収分として約3.4億円、総計で350億円以上の価値があったのです。また、マングローブ植林が地域社会にもたらした恩恵は、約125万人にのぼります。このようにマングローブの多面的効果が数値で表されたことで、私たちの取組みの社会的影響を改めて認識できたことは、大きな励みになりました。

マングローブ植林抜粋

マングローブ植林活動によってもたらされた経済的価値
http://www.tokiomarinehd.com/sustainability/theme2/images/productservice02_img_13.jpg

―先ほど世界に向けて知見を共有されているというお話がありましたが、他にも活動をされているのでしょうか。

2013年からアジア太平洋経済協力(APEC)の下で金融諸課題の解決を論議する官民連携のプラットフォームとして、アジア太平洋金融フォーラム(APFF)が発足しましたが、2015年頃からAPEC/APFFを舞台にして、災害リスクが高いアジア太平洋地域において、金融が果たす役割についての議論が本格化し、そのための作業部会へ民間の立場から参画してきまた。アジア太平洋地域に限らずですが、巨大災害がくると貧困層を中心に大きなダメージを受け、各国政府には一時的に高額な財政支出が発生します。成長しつつある経済に与える影響や人道的観点からも、これに対応することが大きな社会的課題となっています。
2015年9月のAPECの財務大臣プロセスで採択された「セブ行動計画」の中では、災害リスク金融及び保険(DRFI)制度を普及していくことが確認されましたが、APFFにおけるシェルパの役割を弊社の長村が果たしました。また2016年10月のAPEC財務大臣と民間セクターとの円卓会議にも出席して、各国財務当局者やその他の金融・保険関係者などとの対話を行いました。直近では、2017年11月に仙台で開催された世界防災フォーラムにおいても、「アジア太平洋地域における災害に負けない社会づくり~科学と保険の力」というテーマでのパネルディスカッション(パネリストは世界銀行、財務省、東北大学等)でファシリテーターを務めるなど、様々な場で知見の共有や制度構築への働き掛けに努めてきました。
保険業界は地域性が強いため、国際的に全く同じ枠組みを作ろうとすると大変なのですが、例えば日本の家計向け地震保険は官民連携による災害リスク対策の成功事例で、他の国でも官民連携による保険制度づくりは、各国の地域性に即した形で展開可能と考えています。より防御的な意味として、実業を担う民間会社が参加しないままに、使いにくい規制や制度ができてしまうことを避けることも重要ですが、何よりも保険会社として安心・安全をお届けするという本業を極め、より良い社会づくりに貢献したいという思いが強いですね。

東京海上ホールディングス株式会社

― 本日は「地球を守る」ための活動を中心にお話を伺いましたが、その他の点も含め、最後に一言いただけないでしょうか。

何かに挑戦しようと思うと、リスクが伴います。リスクなしに社会が発展するということはないのですから、当社はそれを支える存在でありたいと思います。また、“Good Company”の基本的な考え方である、「お客様や社会の「いざ」を支えることで、あらゆる人や社会から信頼される会社」を目指す中で、SDGsにも貢献していければと思います。
共生社会をつくるために障がい者支援にも積極的に取組んでいます。2016年には、日本障がい者スポーツ協会および、日本障がい者サッカー連盟への支援を開始し、「知る」「見る」「体験する」をキーワードに障がいを越えて挑戦を続けるアスリートを応援しています。また、東京海上日動本館ビル1Fにオープンした「チャレンジスクエア」では、写真やパネルを使って、当社のスポーツ支援の取組みを紹介しており、パラリンピック正式競技「ボッチャ」体験コーナーもあります。東京2020パラリンピック競技会場を満員にしよう!を目標に取組んでいますので、是非、お立ち寄りください。

―本日は貴重なお話をお伺いすることができました。有難うございました。

(取材・文=GCNJ堂脇智子・IGES吉田哲郎/小野田真二 取材日2017/11/1)

取材こぼれ話
インタビュー後、「チャレンジスクエア」にて「ボッチャ」を体験致しました。ジャックボール(目標球)に手持ちのボールを近づける競技ですが、投げたり、転がしたり、或いは他のボールに当ててジャックボールを狙います。「競う」というよりも、ボールを手にしてゆったりとした気持ちで楽しく体験できました。この他、「チャレンジスクエア」には楽しい仕掛けが色々とありますので、どうぞ皆様お越しください。