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持続可能な開発目標(SDGs)

「社会課題に向き合いソリューションを提供する」100年企業~たゆまぬ変革と挑戦~

帝人株式会社

帝人株式会社

https://www.teijin.co.jp/

帝人株式会社のCSR及びSDGsに関するお取組について、帝人株式会社CSR企画推進部 部長 大崎修一様、担当課長 本名浩様にお話を伺った。

― まずは御社の企業理念とSDGsのかかわりについて教えて頂けますか?

当社、帝人グループの企業理念は「Quality of Lifeの向上」「社会と共に成長します」「社員と共に成長します」であり、この企業理念は、1993年に制定したものです。企業理念制定の背景には、70-80年代に進めた多角化戦略の失敗や、いわゆる「大企業病」のようなものが職場や職員の士気に停滞感をもたらしたことから、全社「活性化プロジェクト」が実施され、その成果物として「企業理念」が「行動指針」「企業行動規範」とともに制定されたのです。2003年には、「Quality of Lifeの向上」の実現に向け、ブランドステートメント“Human Chemistry, Human Solutions”を制定し、社会やお客様に対して“人と地球環境に配慮した化学技術の向上と、社会と顧客が期待している解決策を提供することで本当の価値を実現すること”を約束しています。このように、社会課題に向き合いソリューションを提供し、持続可能な社会へ貢献することを当社の使命としており、帝人グループとして「マテリアル」「ヘルスケア」「IT」の3つの事業領域において「環境価値」「安心・安全・防災」「少子高齢化・健康志向」という価値を提供しています。いずれの事業領域においても「(自社製品やサービスを通じ)より良い暮らしと社会を実現する」というDNAが浸透しており、この考え方はSDGsに通じるものがあると思います。

CSR中期計画抜粋

― 企業理念を社員自ら考え制定するというのは、素晴らしいですね。御社の企業理念はCSRそしてSDGs推進そのものですね。

現社長の鈴木は海外経験が長く、CSRや持続可能性への理解が非常に深いのです。また、CSR管掌である高倉も活動に非常に熱心です。SDGsの思想は当社の理念そのものであり、先にお話したように、以前からその理念は社内に浸透しています。SDGs自体も、高倉が早くから注目し、2015年9月にSDGsが国連総会で正式に採択される前から既にCSRマテリアリティ特定のための課題把握・整理において「国連SDGs(案)」を参照していて、同年8月発行の当社の統合報告書にもそのことを記載しています。 現在は、事業の提供するソリューションがSDGsのどのゴールにあてはまるのかを検討し、優先課題を決定するステップにあり、経営層もSDGsはビジネスチャンスであると同時にリスク管理の面で重視すべき事項と認識しています。

CSR中期計画抜粋

― SDGsが御社の経営層の皆様には浸透しているとのことですが、従業員の皆様はいかがでしょうか?本業として展開するに当たって、御社は事業部門の新任課長の方々への研修にSDGsを取り入れていらっしゃると伺いました。

CSR研修の一環としてSDGsを取り上げているのですが、CSR 企画推進部としては「SDGsが(中計キーワード)『未来の社会を支える会社』を達成するのに重要な視点である」との強い思いがあります。SDGsは2030年までに達成すべきゴールですが、現在の課長が事業運営の主役となるのがちょうど2030年頃であるため、課長として自社の事業計画や将来のビジネスチャンスを考えるにあたり、SDGsは最適なテーマなのです。

CSR中期計画抜粋

― 実は、私どものSDGsアンケートからも、いわゆる「中間管理職」の方々への浸透がSDGs実践のカギの一つだと見ているのですが、今回の御社の研修はどのように行われ、また成果はいかがでしたでしょうか?

新任課長の60名を対象に、20名ずつ3回実施しました。CSR活動の紹介の中で、社会課題とビジネスチャンスとして事業領域と関連のありそうなSDGsのターゲットを紹介し、その後ディスカッションを行いました。
ディスカッションでは、部門横断的なメンバーで構成された5名が1グループとなり「所属事業では、SDGsゴールの達成に向けてどのようなビジネスが考えられるか?」「その実現のために何をするか?」について議論しました。部門を横断したメンバーでのディスカッションのため、自社の製品技術がいかにSDGs達成に貢献できるかを中心に、各事業部門でのケースに落とし込んだ、様々なアイデアが出ていました。また、研修後のアンケートでは、自身の携わっている業務がグローバルの社会課題解決につながっていることを再認識し、また、CSRの重要性やSDGsがビジネスチャンスであることを理解できたとのコメントがありました。総じてCSRやSDGsに対する理解が深まったようです。現在、新任部長への研修を行っていますが、プログラムはPRI(Principles for Responsible Investment:責任投資原則)やESG投資についての知識と理解を深めることから始め、SDGsを題材に「SDG Industry Matrix」や他社事例を用いた具体的なビジネスアイデアを考える場となるようにしています。こちらのディスカッションでは、部長という事業責任者レベルでの、より具体的に顧客への提供価値・社会課題解消への貢献並びに自身のアクションについて議論することとなっています。
また、CSR管掌役員とともにR&D部門向けにスモールミーティングを実施した際にSDGsを取り上げたのですが、R&D部門でのSDGsの認知度は高く、次世代の技術および事業形成のシーズとして捉えているようです。実際にテーマ創出に責任を持っている部門がこのようにSDGsを認識し、SDGsを含めた事業の創出を促すことはSDGsゴールの達成に向けて重要であると考えています。

― 現在の中計(2017-2019)「ALWAYS EVOLVING」では「たゆまぬ変革と挑戦」というスローガンを掲げていらっしゃいます。また、2018年に御社は創立100周年を迎えられますが、今後は、御社の「社会課題に向き合いソリューションを提供する」という使命はどのような形で社会に展開されるのでしょうか?

今後はBtoB企業として、より下流を意識した事業やソリューション提供を強化していきます。SDGゴール17にもパートナーシップがありますが、顧客をはじめ各ステークホルダーとのさらなる連携を図ることが重要と考えています。持続可能な社会は一企業の取組だけでは実現できません。一社で技術を保持し、それを抱え込むことで成長できる時代は終わりつつあると感じています。
現時点では、持続可能な社会のために社会の仕組みを変換することまでには至っていませんが、これからも社会ニーズに応じた事業の展開を進めたいと思っています。

― 本日は貴重なお話をお伺いすることができました。有難うございました。

(取材・文=GCNJ堂脇智子・IGES吉田哲郎/加藤瑞紀 取材日2017/10/30&12/19)

取材こぼれ話
同社の東京オフィスからは美しい皇居の姿を望むことができ、また、ロビーでは同社の多様な技術に触れることができます。まさに「たゆまぬ変革と挑戦」、2018年「明治維新150年」「帝人創業100年」を肌で感じることのできたインタビューでした。