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持続可能な開発目標(SDGs)

潜在的課題にアプローチし持続可能な社会へ貢献する~課題提起型デジタルカンパニー~

コニカミノルタ株式会社

コニカミノルタ株式会社

https://www.konicaminolta.com/jp-ja

コニカミノルタ株式会社のCSR 及びSDGsに関するお取組について、コニカミノルタ株式会社 経営企画部 CSR推進グループ リーダー(部長) 御給佳織様、マネージャー 桐原弘子様、清水美和様にお話を伺った。

―御社は経営理念「新しい価値の創造」とともに6つのバリューを掲げていらっしゃいますが、各バリューがSDGs達成に必要なマインドを持っているように思います。

当社の6つのバリュー “Open and honest” “Customer-centric” “Innovative” “Passionate” ”Inclusive and collaborative” “Accountable”は、当社の信念であり、DNAでもあります。売上の約8割が海外市場であり、約150か国にセールス/サービス体制をもっています。また、世界で4万人を超える従業員数の約3分の2が日本以外の国で働いています。様々な価値観がある中、その違いを乗り越え、パートナーと関係構築をしていく上で、グループ全体が共有するバリューは当社のビジネスにおける指針となっています。
2006年に当社は創業の事業であった写真用フィルムとカメラ事業を終了しましたが、長年培った画像・材料・微細加工・光学技術の強みを生かし、AI、ロボティクス、IoT等の革新的技術を活用しながら、人間社会の“進化”を支える新たな価値を創出し、社会課題の解決に貢献したいと考えています。これはSDGsの持つ精神に通じるものがあると思います。

コニカミノルタフィロソフィー

―SDGsゴールのなかでも、特に環境分野における御社のお取組には目を見張るものがありますね。

当社は2009年に、2050年を見据えた長期環境ビジョン「エコビジョン2050」を策定し、2050年までに製品ライフサイクルにおけるCO₂排出量を2005年比で80%削減することを目標としています。さらに、2017年度には「カーボンマイナス」という概念を盛り込みました。これは、調達先、お客様、地域社会など多様なステークホルダーとの連携によって、2050年までに自社責任の製品ライフサイクルCO₂排出量を上回る、自社責任を超えたCO₂削減効果を生み出す新たなコミットメントであり、コニカミノルタが存在することで社会全体でのCO₂排出量が減る状態を目指しています。ステークホルダーとの連携として、当社が実践してきた環境ノウハウを調達先に提供する「グリーンサプライヤー活動」があります。当社の環境専門家が調達先の工場に出向いてコストダウン効果や投資の必要性を含めた改善提案を行い、調達先と協働で環境負荷低減活動を進めるものです。この活動を飛躍的に拡大し環境貢献度を高めるため、調達先企業自らが自主的に改善余地を見出し改善策や費用対効果を検討できるようデジタルシステム化を進めています。また、お客様へも当社の環境ノウハウをご提供しお客様の環境課題を解決する「グリーンマーケティング活動」を展開しており、2016年度からは中国などグローバルに活動を広げています。今後も世界中のステークホルダーと連携して共有価値を創造し、社会から支持され必要とされ企業を目指していきます。 当社はこれまで環境負荷の低減と同時に事業成長も両立させることを目指してきました。2017年度からは新たにSDGsの視点を取り入れこれらの活動をさらに進化させ、課題解決をビジネスの機会ととらえて新しい環境ビジネスを創出することで当社の持続的な成長につなげたいと考えています。

co2排出量削減目標、カーボンマイナス目標

―御社におけるSDGsならびに持続可能性へのお取組についてお聞かせ下さい。

現在は、CSR推進グループが主体となって、SDGsについて社内浸透を図っているところです。経営層へはSDGsの専門家を招いての社内セミナーを開催したことで、トップのSDGsへの理解は深まりつつあると感じています。SDGs推進にあたり重要なのは、事業と結びつく活動が自発的に出てくることであり、「SDGs」という言葉のみの浸透で終わっては意味がありません。SDGsゴールのテーマから事業を生み出すことを目指すべきですが、当社の事業そのものである「社会課題の解決・ソーシャルイノベーション」に注力し、コア技術・リソースの強みを活用してSDGsの達成に貢献していくことが重要だと思います。特に、バイオヘルスケア領域におけるプライマリーケアの充実化やプレシジョン・メディシン分野への参入は、早期発見・治療、そしてより的確で効率的な治療や投薬、予防を実現し、患者様のQOLに貢献することを目指すものです。その他にも、オフィスやものづくり、そして介護の現場における業務の効率化や生産性向上に貢献する技術や製品・サービスを今後も幅広く展開し、SDGsの課題に取り組んでいきます。

―いまのお話にありました介護の現場における課題へのお取組について、詳しく教えて頂けますか?

介護の現場では、業務が多岐にわたる反面、スタッフ数が不足していることから、一人一人のスタッフにかかる負担が非常に大きくなっています。特に、昼夜や状況の深刻さを問わない、入居者からのナースコールへの対応は、スタッフの皆さんにとっては肉体的にも精神的にも負担が大きく、加えて、日々の介護記録作成等のペーパーワークもある介護の現場にはワークフローの変革が必要です。そこで、当社は、「ケアサポートソリューション®」を開発しました。このシステムは、当社が創業以来培ってきた光学技術、センサー技術、画像処理技術を独自のICTで融合し、センサーとスマートフォンを軸としたワークフローで介護業務全体の効率化を実現しています。開発にあたっては、現場の抱える課題に対して当事者意識を持つことが重要であることから、当社社員自らが現場で介護業務のロールプレイングを行い、そのデータを収集・分析し、システムの開発に反映させました。このようにして生まれたのが「ケアサポートソリューション®」です。このシステムを利用すると、ケアコール(ナースコール)を受けたスタッフはスマートフォンで入居者の様子を映像で確認し、入居者の状況を把握した上で部屋に駆けつけることができます。万一、コールが重なった時でも、駆けつける前に介護スタッフが各入居者の状況の緊急度を判断することができます。また、アクシデントが起こった場合は、映像が動画として記録されるため、入居者の行動に合わせたお部屋の改良も可能となり、常に現場の改善が継続されます。さらに、スマートフォンに搭載されている「情報共有アプリケーション」で入居者の情報を共有することも可能になります。これにより、介護スタッフの業務効率が上がり、スタッフの運動量・業務時間ともに大幅に軽減されることから、入居者へのサービスの向上が期待でき、その結果、入居者の満足度が向上し、施設の事業運営にもプラスになると考えられるのです。

システム構成

―御社の社員の方自らが介護の課題に直接向き合って生まれたソリューションなのですね。介護の現場が変わると人材確保の課題解消にもつながりますね。

そうですね。介護現場における肉体的/精神的負担が大幅に軽減されることで、介護現場は過重労働という従来の概念を変え、介護スタッフの離職率低下に貢献できると考えています。また、適切な業務効率化の結果、直接ケアにあたる人員を減らせる一方で、システムを通じて収集された介護のデータ管理や分析等の新たなICT分野の業務が創出されることが見込まれます。その結果、介護の現場のこの新しい職種が、若者のICT分野の就職先の一つとして認知されることも期待されます。実は、これはプロジェクト立ち上げ当初には想定し得なかったプラスの効果なのですが、実際に取組を進めていくなかから、このようなポジティブ・インパクトが生まれることがあるのだと、日々実感しています。 この取組を日本でのパイロットプロジェクトとして実施し、将来的には中国・欧州等海外にも展開していきたいと考えています。また、国内の事業の拡張性として、地域の関連ステークホルダー(社会福祉士、医者、看護師等)をつなげることによる情報の共有、そして在宅介護への導入等、多方面に展開していきたいと思います。製品サービスの実施プロセスを通して当初想定していなかった課題解決へのヒントが現れることや新たな課題を発見することが多く、これが次のビジネスのシーズにつながっていくのです。

―それはまさに、「SHINKA(進化:同社の新中期経営計画のネーミング)」ですね。本日は貴重なお話を伺う機会を頂戴しまして、有難うございました。

(取材・文=GCNJ堂脇智子・IGES加藤瑞紀 取材日2017/11/30)

取材こぼれ話
社員の皆様の「課題に取組む姿」について、情熱を持ってお話頂いたお三方からは、まさに「フィロソフィー」が「DNA」として受け継がれていることが伝わり、その熱い思いにこちらも元気を頂きました。